背景

椎茸の写真
近年、食品の産地や製造法の表示の詐称使用が大きな社会問題となっています。乾しいたけにおいても安価な中国産品を国産品に混入し国産表示として不正販売している業者が後を絶たないのが現状です。食品の品質表示制度に対する消費者の信頼を回復し、日本産原木しいたけの生産を守るためには乾シイタケの生産国ならびに品種の科学的判別法の確立が急務の課題となっています。

測定条件

  • 測定装置:OURSTEX140型
  • 前処理:乾燥したものを150メッシュアンダーに粉砕し、
    約2gを試料ホルダーに入れ大気中で測定
  管電圧 管電流 測定時間 分光モード
 軽元素   15kV   1mA   100sec   L-モノクロ 
 中重元素   40kV   1mA   100sec   K-モノクロ 

 

測定結果

中国産と日本産椎茸の判別分析測定結果
中国産と日本産椎茸の判別分析測定結果
中国産と日本産椎茸の判別分析測定結果

まとめ

中国産と日本産のX 線強度を比較するとTable.1、2 に示しますようにP、S、Cl
の強度に明確な差が見られました。これらの差はFig.1、2 からも明らかです。また、
Zn、Rb についても差が見られました。
従来の分析は原子吸光やICP で測定しているため、試料を溶液化しなければなら
なく非常に手間と時間がかかります。しかし、OURSTEX140 型は溶液化を必要とせず、
前処理としては乾燥及び粉砕のみで測定できます。また、液体窒素も不要であり簡
便、迅速に中国産と日本産のしいたけの判別を行えます。

推奨装置

エネルギー分散型蛍光X線分析装置「OURSTEX140」