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蛍光X線分析装置による溶融スラグの塩基度管理例

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背景

全国各地にあるゴミ焼却施設(清掃工場・クリーンセンター等)には必ず大型焼却炉が完備され24時間運転にて管理・監視されいます。
溶融処理により生じた溶融スラグは、建設資材・道路路盤材・コンクリート骨材に有効利用(リサイクル)されています。

再利用する場合も用途により基準があり、一般廃棄物、下水汚泥等の溶融固化物を用いた道路用骨材の標準情報(TR)及び環境省の「一般
廃棄物の溶融固化物の再利用の実施の促進について」の目標基準があります。鉄鋼スラグについては道路用鉄鋼スラグ、高炉スラグ骨材
が日本工業規格(JIS)で規格化されています。

これら安定した溶融スラグを生成するためには、溶融炉の管理が必要になり、その一つに塩基度(CaO/SiO2)の確認があります。
塩基度が高くなるとスラグの融点が上昇し粘性が低くなります。溶融温度の上昇により、溶融エネルギー原単位が増加し、流動性が高くなる
ため耐火物の侵食速度が増す等(溶融炉の腐蝕)の問題が起こります。

溶融炉の延命化及び経済性の面から、主灰と飛灰を混合溶融する場合、適正な塩基度となる様に、主灰と飛灰の混合割合の調整や塩基度
調整剤による塩基度の確認及び調整が必要です。塩基度は0.2~2.0が許容範囲とされ、1.0程度が望ましいとされています。

ここでは、小型蛍光X線分析装置OURSTEX170型を用いて、この溶融スラグ(塊状)をそのまま測定し、短時間で塩基度(CaO/SiO2)が得られ
たので報告します。

蛍光X線分析装置による測定

通常、このような塊状スラグの蛍光X線分析装置による組成分析(定量)を実施する場合は、その形状(凹凸)による定量誤差を予防する
為、測定前処理として微粉砕をする必要がありました。実際、この塊状スラグはガラス質で硬度も高く、市販の粉砕機を使用しなければ
微粉砕は難しく、試料作成に時間を要しました。

今回報告する塩基度による定量では、試料からのSi及びCaの蛍光X線強度比をとることから、塊状溶融スラグの凹凸に関係なくほぼ一定
した値を得ることができ、そのまま測定しても正確に溶融スラグの塩基度を求めることができました。

 
(※上記写真の他に、装置内部を真空に引く為の小型真空ポンプが別途必要。)

測定結果例

測定結果(波形)

測定条件:管電圧 15(kV)-管電流 0.1(mA) -測定時間 100(秒) 

分析結果比較

             表1. 溶融スラグの塩基度分析結果比較          単位(Ratio)

 

Sample.1

Sample.2

Sample.3

Sample.4

化学分析

0.67

0.75

1.05

1.25

OURSTEX170

0.69

0.78

1.01

1.21

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