背景

2004年には軽油中の硫黄(S)の規制値が50ppm以下になります。石油学会ではガソリン、軽油等の低硫黄分規制に対応した試験法の標準化が検討されております。そこで弊社のエネルギー分散型蛍光X線装置にOURSTEX H×V光学系を採用する事で、この低硫黄分の分析が精度よくできましたのでご報告します。

測定装置並びに実験

X線管に50Wの小型空冷式X線管を用い、1次X線を結晶で分光後、試料に照射し、さらにX線管、結晶、試料、検出器を三次元的に配置する光学系を利用して、バックグラウンドを押さえる工夫がなされています。結晶に湾曲型グラファイトを用い、X線管からのPd‐Lα線を回折単色化する事により P/B比の良い分析が出来ます。 また検出器にはペルチェ冷却式SDDを使用し、計数回路にはDSPを採用する事で、装置の小型化かつ高計数、高分解能に対応しております。

  • OURSTEX㈱製H×V 光学系
  • X線管:空冷式Pdターゲット
  • 検出器 :SDD(シリコンドリフトディテクタ)
  • 電子冷却:(ペルチェ素子)
  • 計数回路:DSP(デジタルシグナルプロセッサ)
  • 結晶:グラファイト
  • 印加電圧:30kV
  • 印加電流:1.5 mA
  • 測定時間:300 sec
  • 雰囲気試料室:大気/検出器部:真空

測定試料石油学会認定 検量線作成用標準試料試料処理ポリエチレン製試料容器に
高分子膜(4μm)を張り、試料を装填しそのまま測定

結果及び考察

 

検量線作成結果

石油学会認定 検量線作成用標準試料を5cc秤量し、試料ホルダーに入れて検量線を作成しました。
軽油中の硫黄分微量分析測定結果

ピークプロファイル

軽油中の硫黄分微量分析測定結果

繰り返し再現性

試料No.5 [S 50 ppm] の単純繰り返し再現性 および 試料を5個の試料ホルダーに詰め替え、試料作成再現性 を求めました。 軽油中の硫黄分微量分析測定結果

まとめ

実験結果から、OURSTEX H×V 光学系でバックグラウンドを低減させることにより検出下限値は1.37ppmが得られました。本装置は特にClから軽い元素を感度よく分析でき、かつヘリウム置換をすることなく簡便に測定できることからステンレス中の軽元素分析、セラミック、セメント、ガラスの分析など専用機として広い分野で活用されていくものと期待されます。

 

推奨装置

エネルギー分散型蛍光X線分析装置「OURSTEX160」