背景

ハウス内で栽培されていますイチゴに発生するうどん粉病対策にSi(ケイ素)が効果
的と言われています。溶液化したものを根から吸収させる、あるいは、散布することの
いずれでも効果があります。籾殻は従来不要なものとして焼却処分されていましたが、
籾殻には通常ケイ素が多く含まれているためこれを土壌中に混ぜることでウドン粉病の
駆除に再利用できるのではないかということで研究されています。ただし、籾殻にダイ
オキシンの発生の要因となるCl(塩素)が含まれています。このため還元焼成法で処理
した籾殻の成分変化について分析を行いましたので、その結果について報告します。

測定装置並びに実験

装置は可搬型蛍光X 線分析装置OURSTEX100F を測定に用いました。装置内雰囲気は真空で高精度、測定試料は空気中で簡便な分析が可能です。測定条件は下記の通りです。

  • X線管:空冷式Pdターゲット
  • 検出器:シリコンドリフト検出器(SDD)
  • kV-mA:15-1(Pd-L線)
  • 測定時間:100sec
  • 測定試料:籾殻を粉砕処理したもの及びその籾殻を500℃で還元処理したもの

結果及び考察

 図.1 に籾殻の軽元素定性分析結果を示します。下図が処理なし、上図が還元焼成法 500℃で処理したスペクトルです。この結果から分かりますように、Si-Kα線の強度は焼成すると増加し、逆にCl-Kα線の強度は明確に減少していることが分かります。籾殻を還元焼成することによりダイオキシンの要因となる塩素は消滅し、ウドン粉病の駆除に効果のあるケイ素は残留することが分かります。この結果はまだ定量的に証明されたわけではなく、葉っぱに対するケイ素の存在量の把握などこれからの研究がまだ必要と思われます。 この結果から、籾殻のリサイクルと共に、このコンパクトな装置がその場分析装置として、今後籾殻や葉っぱなどの簡便なケイ素や塩素などの軽元素分析に有効に活用されていくものと期待されます。
籾殻のSi 効果とCl の還元焼成処分測定結果

推奨装置

エネルギー分散型蛍光X線分析装置「OURSTEX100FA」